odol
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NEW SONG
Digital Single『眺め / POSE』

2019.06.19 release

1.眺め
2.POSE

odol

LINER NOTES

「眺め」と「POSE」の、目を見張る「ら」と「み」

すごく細かい話のようだけど、僕がodolの新曲を聴いて、とても感銘を受けたことについて書かせてほしい。それは「ら」と「み」の話。odolというバンドは曲を出すたびにどんどん覚醒して目覚ましく成長してると思うのだけれど、それを象徴するような2つのポイントについての話だ。

「眺め」は、繰り返されるピアノのフレーズにスケール感あるバンドサウンドが積み重なっていくミドルチューンだ。「壮大で美しい景色を想像しながら作った」という森山の言葉どおり、どこか神秘的で幽玄なイメージが思い浮かぶ。この曲でゾクっとするのは歌詞にある《さようなら》の「ら」。同じ言葉が曲の中で計5回繰り返されるのだけれど、実は3回目から、この「ら」の部分のメロディや歌いまわしが変わる。そのことで、同じ言葉なのに、微妙に違うニュアンスが伝わってくる。

この曲の歌詞について「抽象的な、誰もが広く受け取ることができるテーマや言葉選びを必要とした曲だと思った」とミゾベは語っている。

一方、エモーショナルなダンスナンバーの「POSE」でまず耳を奪われるのは、歌い出しの《カロリー気にしながら昼食を買う君に》の「み」の部分。ミニマルなフレーズと硬質なビートで否応なしに身体を揺さぶる曲調の中で、うわずったメロディで歌われるこの一瞬がフックとして刺さる。サビの《多分僕以外もシラフぶって踊るのさ》の「ぶ」もそう。高揚感や興奮のなかで、ただ心地よさに身を任せるのではなく、一瞬だけ我にかえるような、ヒヤリとした感触。それがodolというバンドが鳴らしている音楽の大事な部分だと思っているのだけれど、それがこういうティティールにあらわれている。

この曲の歌詞についてミゾベは「メロディに対する言葉の乗り方を重視した。子音や母音の持ったイメージや、音楽になった場合の効果を意識して言葉を選んだ」と語っている。

神は細部に宿る。

サウンドメイキングと言葉が、こんな風にピンポイントで結びついている。そのことが「眺め / POSE」の大きな魅力の一つになっていると思う。

柴那典(音楽ジャーナリスト)